らいおんはーと

PC整理してたら
いつか書いたラブレボの華原×ヒトミの小説が出てきた。

イタイので曝すことにした。

ははは、
神城先輩のも出てきたなんて、
言えないよ、　　言えやしない　よ　　・・　・　・。



…スピッツ聴きながら書いたのだろうな。おそらくな。

痩せて綺麗になった彼女は町を歩けば通行人達を振り返らせるまでになった。そんな彼女が、俺を好きでいる。「今、彼女はたしかに俺が好きなんだ」と思えること、誰かの好意を信じられることが、奇跡のように幸せだと思った。

彼女に思いを告げ、晴れて付き合うことになった卒業式の日から数ヶ月。



「ね、華原くんさ、いま私の事どうでもいいでしょ」

学校からの帰り道、俺の手を一瞬きつく握った後、彼女はいきなりそう言った。

彼女にまるで興味がなくなる時期がある。
そう気付いたのはいつ頃だっただろう。
大事には思うのだけど、いつか感じた奇跡のような幸せが、一瞬消える。
手を繋いで歩く彼女が誰なのかわからなくなる。
それが周期的にやってくるものだから、自分で自分の気持ちに翻弄された。
まさか彼女にもばれていたとは、思わなかったけれど。

彼女を愛し、彼女に愛された自分は、今まで別の世界だと思っていたキラキラした,、カゴの外の世界へ出られるのだと思っていた。
誰かを愛すると世界は変わるのだ、魔法のように誰かを信じ愛せるようになるのだ、と。
愛は勝手に胸に満ちてくるものだと思っていた。

彼女の愛をいくら感じても、やっぱり俺の心は生き返らない、それが、悲しかった。

「なんでわかるの」

クスリと笑いながらそう言うと、「わかるよ、彼女だもん」と彼女も笑った。
あなたのことだけもうずっと見てるんだから、と。

「私、華原くんのこと、一生懸命、好きだもの」

ふいに眩暈を感じた。
あいしてる、が溢れてきた。

あぁ、あぁ、俺はきみがすきなんだ。





カゴの鍵を開けてくれたのは彼女で
ならカゴの扉を開くのは俺だ。

ずっとまともじゃないって、わかってる。
あの、キラキラのほうへ、登っていこう。